IsaGuitarra
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『Draw on water』
1.Jupiter Ⅱ 03:59
2.Lapis lazuli 03:01
3.Star fish tale 04:35
4.ネムノキ 05:29
5.空想時計店 03:30
6.The sun is drawing water 05:51
7.Amrita 03:25
8.Tu-La-La 02:50
9.Kumoi 03:41
10.揺蕩ウ 04:0
All Music composed by IsaGuitarra
Guitar, Recording, Mixdown,
Mastering,Arrangeby IsaGuitarra
track4 sitar : minakumari
Glockenspiel : IsaGuitarra
track7 voice : Hannah
track8 sound of stone : IsaGuitarra
track1,2,3,4,8,9 synthesizer : IsaGuitarra
Cover art :K_sato、IsaGuitarra
ISAWORKS 2023.
IsaGuitarra All rights reserved
この作品は、2022年の秋から2023年の初頭にかけて
日々の暮らしの中で描いたスケッチのような
1日の始まりや終わりに書き留めた日記のような
即興演奏の一発録音がメインの音源集です。
ギターを軸に小さなアナログシンセと
エフェクター、アナログミキサー、カセットMTR
などを使用した即興演奏をその場で録音し
いくつかの曲には
長女Hannahの歌声や
友人アーティストのminakumariの
sitārなどをオーバーダブ編集、作品としました。
現れてきては、消えてしまうような日々の音達
それをとどめて作品にしたものではありますが
水に描いた絵のように、
毎日に溶けて馴染んでいくような
そんな一枚として
手元に置いてもらえたら幸せに思います。
タイトルの相談に乗ってくれた
八方美菜
限定コラボの石鹸を引き受けてくれた
siika
ジャケットのリソグラフ印刷を助けてくれた
manna
アートワークを一緒に楽しんでくれた
Fukune
それからいつも聞いてくださっているみなさま
ありがとう。感謝を込めて。
Isa & K.sato
*********
Draw on waterに収録した曲は
一曲一曲が、それぞれ絵のような印象を持っていました
創作時に意図したものではなかったのですが
リリースに際して、その音の奥行きを
紐解き言葉を探して、名前をつけました
言葉とは不思議なもので
一つを想像し探ろうとするとき
いつもいくつか他の要素も
結びついてあらわれてきます
今回の場合、それが音の向こう側にある
小さな世界を浮かび上がらせ
足を踏み入れていくことにつながりました
メモのように以下に
記しておこうかと思います
良かったらアルバムを聴きながら
覗いてみてください
*********
1:Jupiter Ⅱ
木星の2番目の衛星エウロパには薄い氷の下に
海があるかもしれないと、
息子の借りてきた本に書いてあった
その海でいつかコオリウオ釣りをしてみたい
はて。
コオリウオとは一体なんだろうか?
まったく生臭くない
フルーツのような味の魚だとか。
2:Lapis Lazuli
使用させてもらっているmogut_guitarには
このラピスラズリという石が埋め込まれています
青の語源になった石
ギターの音とアナログシンセの掛け合いが
石たちのおしゃべりのように
聞こえてきます。
3:Starfish tale
Starfishはどこから来たのか
海の中で泳ぐヒトデ
本当は昔々
キラキラ輝いていて、ある日
空の上から落ちてきたと
海に落ちた王様の話
どんな話だったか、、、
4:ネムノキ
ねむくなる曲がけっこうありますね。
と、言われます
あの美しいピンクの花は夢に出てきそうです
東北では、ネムタギ
九州のあたりでは、ねむりこ
と呼ばれるそうです
ねむれない日は
ネムの木とあの花を思い出したら
なんだかねむれそうな気がします
ネムの木は体内時計を持っているらしいです
5:空想時計店
引っ越してきたばかりの時期
その街を散策するのは楽しみのひとつ
ある日
少し古びた雰囲気の時計店を見つけました
次に来る時は、ずっとお気に入りだった
懐中時計を直してもらおうと
次の週また行ってみるのですが、、
探しても探しても時計店が見つからない
時計店って
なんかそんな感じです
6:The sun is drawing water
薄明光線と呼ばれる現象は、世界各地で
いろいろな呼び名があるそうなのですが
中でも興味深かったのが
ヨーロッパの呼び名
遠くの雲の下にこのような光の筋が
伸びているのを見た昔の人は
「太陽が水を汲んでいる」
と呼び、この水が雨になるのだと
思っていたりもしたそうです
7:Amrita
時々、音の揺らぎの中に
波の音が聞こえる時があります
聞こえていない音なのに
そのように感じるのは何故なのだろう
貝殻を耳に当てて波の音を聴く
きこえたことがありますか?
ひとが、それをやめないのは
何故だろう?と、思ったりするのです
*インドの神話に登場する飲み物アムリタは
飲むものに生命力を与え不死にするとか、、、
1000年もの壮大な海の攪拌の話*
8:Tu-La-La
つるつるとして光沢のあるものを
「つらつら」と呼んでいたのが
派生し「つらら」となったとか
元の「つらつら」という語の意味は
美しく愛らしいさま、みずみずしさをあらわす他に
よく考えるとか、深く考えること、なども
寒さ厳しさが故に
心静かに、他から隔たれたような
時間感覚があったのだろうか
ポタポタと落ちて
キラキラとひかり
過ぎてゆく、膨大な時の重なりを
どこかで感じたりもします
9:Kumoi
暮らしのそばにある自然風景を
ゆっくりと見ているのが好きです
許されるなら何時間でも
空に浮かび、たなびく雲
幾億年の空の営みの壮大さに時々
吸い込まれてしまいそうになります
ですが、雲を見て
千年近く前の歌人たちが
歌を詠む、古いことばに
ふと今、見上げてるこの身体を
少しおかしく不思議に感じもするのです
そうして、歌の詠まれてる時代の雲と
見ている雲が重なることを思うと
のほほんとして
また、空を眺めるときに
雲、前より少し近くなった気がしたのです
10:揺蕩う
海に浮かんだ小舟
川や池に落ちた小の葉
揺らいで、水面を渡る風
少なくとも
この世界のどこかに消えて
そっとしまわれていく
数えきれない時間の層
息を吸い、吐き出しながら
体積し続ける透明な一枚一枚の連続
水に絵を描いてみても
それは定まらず、ゆらゆらしながら
滲んでいくように
時に、溶けてしまった音楽がありました
耳をすましてみると、どこからか
聴こえてくる気がしたのです